タバコを咥えた渋いオッサンの表紙
昭和の匂いがプンプンする表紙の本を思わず手に取った。
というのも、「ストリップ」という言葉に懐かしさをからだ。
今から40年以上も前、18歳のときに鹿児島から札幌に移り住んで、最初にバイトしたのが、札幌コマ劇場のビラ配りだった。
鹿児島のド田舎者が、いきなりススキノの夜の世界、しかもストリップの世界にちょっとだけ足を踏み入れた時の驚きと興奮は分かってもらえると思う。
当時は、北海道大学の恵迪寮(けいてきりょう)の連中が、専属のバイトで、試験中とか長期に大学が休講の時、人出が足りない時のみのバイトだった覚えがある。
同年代以上の札幌住民なら、札幌コマを知らない人はいないし、派手なポスターと色彩の街宣カーが大音量のスピーカーを鳴らし、街中を走り回っていたのを覚えている人も多いだろう。
あれから40年以上、ストリップ劇場には行くことなく過ごしてきたけど、いつの間にかビラ配りも街宣カーも目にしなくなった。
そして、札幌コマ劇場も気が付いたらなくなっていた。
前置きがずいぶんと長くなってしまったけど、ふと、目にした「ストリップの帝王」の文字
そう言えば、ストリップがどんな行く末を辿ったのか、興味がわいて早速買って読むことに・・・
この本は、著者の八木澤 高明氏が、ストリップの帝王「瀧口義弘」氏のインタビューと関係者への取材をまとめて、ストリップの帝王「瀧口義弘」氏の半生を描いたノンフィクション作品。
ストリップの帝王の前職は・・・・なんと銀行員
当時、ストリッパーとして、劇場オーナーの姉に誘われ、その日のうちに辞表を出して劇場に飛び込んだいう。
本の帯には
ヤクザと闘い、警察を出し抜き、ストリップ業界を支配した元銀行マン!!
ヤクザと闘い、
警察を出し抜き、
ストリップ業界を支配した元銀行マン。
バックステージから時代を握った怪物がいた!!
業界を興隆させ、破壊し、終わりを見届けた男。
その人生、常識は通じない。
○刃物を抜いたヤクザ相手に大立ち回り、相手を病院送りに
○全国の踊り子を一手に握る
○月収1億8千万のカネをギャンブルにすべて突っ込む
○腹にダイナマイトを巻いて警察署に乗り込む
○全国指名手配をされるも逃げ切る etc
とある。
なんと、月収が1億81千万
しかもそのすべてを博打につぎ込む。
こんな豪傑は、もう今の時代には出現しないだろうね。
いわゆる興行の世界は、肝の太い男でないと采配出来ない時代だったのだと思う。
しかし、時代は変わり次第ににストリップの火は消えていく・・・
銀行員だった妻は?子供は?両親は?兄弟は?
時代の奔流に巻き込まれさまよう人生
是非、一読あれ!!