蜜蜂と遠雷 恩田 陸著
「直木賞」「本屋大賞」のW受賞作だから、素晴らしい作品であることは間違いない。
上下2段で507ページもある文量だから、さぞや読了するまで時間がかかるだろうと思って読み始めたけど、あっという間に読み終えた。
というのも、文章が優しくて読み易いことや、すべてを書ききらず余韻を読者に任せる手法も見事だし、主な登場人物はたったの4人というのも、読んでいて迷子にならなくて済む。
あまり読書が好きでないという人にもお勧め!
物語は、4人のコンスタントの過去から現在までのストーリーを交え、実際のコンテストも模様を描いて進む。
審査員の過去と人間模様。
単純なストーリーに様々なエッセンスが組み込まれて、読む者を飽きさせない。
圧巻は、コンスタントが弾くピアノ演奏の描写。
曲を知らない人が読んでも、実際にピアノの音が聞こえてきそう!!
後半は、ややマンネリ感もあり、驚くほどあっけなく終わったので、ちょっと物足りない気もしたけど、まあ記憶に残る一冊になるのは間違いない。
クラッシック音楽、ピアノに全く無関心、無知識の俺でも読んでワクワクしたのだから、ピアノ経験がある人ならもっともっと楽しめる作品だと思う。
物語の中で弾かれたピアノ曲がすべて入ったCDも発売されているそうなので、そのCDを聴きながら読むのも更に素晴らしいかも・・・
アマゾンのレビューも載せておきます。
音楽の持つ絶対的な臨場感
読了するのが、惜しい気がした。
ピアノコンクールをめぐる圧倒的な緊迫感。
そして、本全体から流れ出す音楽の持つ絶対的な臨場感。
圧巻である。
筆者の持つ描写力に脱帽である。
筆者の音楽への並々ならぬ愛着が、この小説を完成度の高いものにしているのであろう。
音楽ってこんなにおもしろかったのね
読んでる途中からどうしてもピアノ曲が聴きたくなって、初めてクラッシックをダウンロードしました。こんなに惹きつけられた本は久しぶりでした。すごく新鮮で、あれ?という所で泣きそうになったり。とてもとても心揺さぶられました。必読‼︎
感動をありがとう
普段忙しくてなかなかゆっくり本を読めないが、少しまとまった時間ができた時にこのような読み応えのある本に出会えると、すごく幸せを感じる。神々しい音楽の表現については「すごいなあ」としか言いようがないが、登場人物がみんな魅力的で4人のコンテスタントとその4人を取り巻く様々な人々が、コンクールを通じて道をみつけていく様が丁寧に描かれていていい。コンクールの舞台演奏を聴く側の、大きな感動に伴う様々な思いに、自分も呼応してしばしば涙がでてきた。