「ラストメール」 その二十九 徳満耕史著

服を脱がせると、赤ちゃんがおしめを替える時のポーズや、四つん這いでお尻の穴が見えるポーズなど何枚かの写真を持ってきたデジカメで撮った。

「変態野郎
紗希が味わった屈辱を少しは感じてくれたかい?
今後、少しでも紗希に接して来たり、ネットで紗希の投稿写真が残っていたりしたら、さっき押収したパソコンや携帯のメールアドレスの全員に、今写した恥ずかしい写真を送ることになるから、気をつけて行動してくれ」

「気を付けるのは、あんたの方だよ。
紗希を助けたつもりだろうけど、大変なことになるよ。
紗希と関わりを持った男で幸せになった奴はいないから。
前のストーカー男は、結婚・離婚して最後は頭がおかしくなって自殺した。
紗希から言い寄られて、その気になって離婚したサラリーマンも一人や二人じゃない。
PCスクールの生徒の童貞の男の子や、おじいちゃんまで紗希にたぶらかされ・・・
この前のレイプ犯だって、鼻の骨を折られて曲がったままになってしまい見られた顔じゃなくなった。
いつかは、僕にも不幸が襲ってくると思っていたけど、それが今日だったんだ。
あんただって、紗希に入れ込むなら気をつけた方が良い。
これだけは、忠告しておくよ」

「確かに、紗希に関わった男性はあまり幸せになっていないのかも知れない。
今お前が言ったことは、紗希から直接聞いて知っている。
でも紗希をそんな女性にしてしまったのはお前らだろう!
自分の事は棚にあげて、すべて悪魔の行状のせいにして責任を逃れようたってそうはいかない。
よく覚えておけ。
今日は、これくらいで済んだことを感謝しろよ」

押収したダンボール箱はレンタカーの荷台に積み、不燃ゴミの処分場に運びその日のうちに綺麗に処分した。
手元に残ったのはレイプ犯から身を守るためのビデオだけだった。

その日は、夕食を一緒にする約束をしていったん別れた。
その夜は、以前良く接待で使っていた高層ホテルの最上階の和食の店で紗希と食事をした。

「こうして、おしゃれしている紗希を見るのは初めてだね。
今までも、綺麗だと思っていたけど、今日は一段と綺麗だ」

「ありがとう、お世辞でもすごく嬉しいわ。
ずっと、ストーカー彼氏から今の彼氏と付き合っている間、こんな雰囲気のあるレストランでお食事したことが無かったから憧れだったの。
それに、今日は長年の呪縛から秀雄さんが解放してくれた記念の日だから、
お昼に別れてから直ぐにお洋服買いに行ったのよ。
普段は、高い服は買わない主義だけど今日は特別。
秀雄さんに一番綺麗な私を見てもらいたくて奮発しちゃった」

「今日の紗希なら大統領でも惚れちゃうかも。
一緒に食事出来るだけで光栄だよ」

「秀雄さん、前の彼と別れたら秀雄さんの彼女にしてもらう約束忘れてないでしょうね。
私はそのつもりよ、迷惑?」

「紗希みたいな若くて綺麗な女性を彼女に出来たら、男冥利に尽きるけどそう簡単にはいかない」

「会社を潰して、色々な人に迷惑かけたのに俺だけが、またいい思いするのもどうかと思うし、別れた妻と娘のことも慎重に考えて行動しなくてはならない。
何より紗希はまだ若いし将来がある。
歳相応の素敵な彼氏を見つけることが、紗希の幸せだと俺は思う。
だから、俺は紗希の幸せな姿を見守っているよ」

「秀雄さん、折角の記念の日に悲しいことは言わないで。
何回も同じことを言うようだけど、歳の差なんて全く関係ないし、お仕事のお手伝いも一生懸命する。
奥さんや娘さんにも解かってもらえる様に努力するわ
だから、秀雄さんの彼女にして下さい」

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