「ラストメール」 その二十四 徳満耕史著

『参った』

今日、以前お世話になったメーカーさんに商品を仕入れに行ったけど、何が売れるか検討がつかなくて困ったよ。

『秀雄さんでもそんなことあるんだ』

でも大丈夫すぐ勘なんて戻ってくるわ。

『それが』

一度は選ぶんだけど、本当に売れるかなあ~って思うと、ついつい弱気になって棚に戻してしまうんだ。
自信がなくなっているんだね。
そう言えば、商品の写真撮ってきたから、紗希、見てみるかい?

『見ても構わないなら見てみたい』

でも、私が見ても何も判らないわよ。
それでも、秀雄さんがどんなお仕事しているのか少しでも知りたいわ。

『じゃあ』

いっぱい、商品の写真を撮って来たから、今から編集して何枚かにまとめる。
時間かかるから、夜中になってしまうかも知れないけど今日中にはメールに添付して送っとく。

本当に便利になったと思う。
デジカメで写真を撮ってきたら、現像所に出すことも無く自由自在にプリントが出来てしまう。
しかも瞬時に世界中何処へでもメールに添付して送ることも出来る。

便利になった反面、変態野朗みたいな人種を生み出してしまう
遠因にもなってしまったのだろうけど・・

約、300点程の商品を、5枚の画像に編集して紗希にメールに添付して送った。

『秀雄さん、おはようございます』

見たわ、可愛い商品いっぱいあるのね。
私が欲しくなるような物もいっぱいあった。
秀雄さん、こんな様な商品を扱っているんだ。
すごく、楽しそうだわ・・・
私もやってみたいなあ~。

『じゃあ、仕入れてみるか?』

紗希、写真加工出来たっけ?
もし、出来るなら、送った画像に、紗希の欲しい商品に○印を付けて送り返してよ。
遠慮しなくていいよ。
実際に買う訳ではないから、直感で欲しいと思うものがあったら印つけてみて。

『写真加工は大丈夫』

簡単な写真加工をして、メールに添付して送ることはレッスンでも教えているから。
でも、私が選んだ商品を本当に仕入れするの?
すごく責任重大、大丈夫かしら。

 

考えてみれば、 お店に買い物に来るお客さんは、ほとんどが紗希と同世代のお客さんばかり・・・
自分の感性で選ぶより、実際に買い物をするお客さんと同じ年頃の紗希が選ぶ方が確実に売れ筋をつかむだろう。

翌日、昨日と同じメーカーさんに行き、紗希が選んで印をつけた商品だけを仕入れて、直接お得意先の雑貨店まで直送してもらうことにした。
一週間程経ってから、商品を送った雑貨店の店長から電話が来た。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です