「ラストメール」 その十二 徳満耕史著

『こちらこそ、ありがとう』

紗希、仕事ご苦労さん。

昨日はあんなことがあったし、夜もほとんど寝ていないんだから、今日の仕事は疲れただろう?
今日は、何も考えずに早く寝なよ。

メールに色々と書いてあったけど、全然変な女性だなとは思わなかったなあ~。
確かに、あんなことがあった後にしては、落ち着いていた・・・と今、言われてみればそう思えなくもないけど。

紗希が今まで接してきた男性が、どんな人だったかは知らないけれど、いくらなんでも、あの状況で抱きたいなんて言う常識のない奴はいないだろう。

でも、紗希がそう思ったって事は、今まで付き合ってきた男性が、よほど変な奴らばっかりだったのかもしれないね?

唐突だけどさ、紗希が俺にとっては、ある意味、女神的な存在になるかも知れない。
何か、そんな気がする。

ご両親に気付かれなくて良かったね。

その夜、また紗希からメールが届いた。
『ご返事ありがとうございます。』

秀雄さん、こんばんは。
今、お仕事から帰ってきました。
昨日は、殆ど寝ていなかったので、やっぱり疲れました。

ちゃんとご返事して下さってありがとうございます。
もし、秀雄さんからの返事が来ていなかったら気になって、今夜も寝られないところでした。
お陰で今日はぐっすり眠れそうです。

でも秀雄さん、私のこと・・・ずいぶん誤解しているよ。
秀雄さんは知らないけど、本当の私は悪魔みたいな女なの。

だから私が、秀雄さんにとって女神的な存在になるなんて、とんでもないことだわ・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です